多発性硬化症(MS)の発症に関与する重要な環境因子の1つに、「喫煙」が挙げられています[1]。また、喫煙経験のある再発寛解型MS患者さんは、喫煙していない再発寛解型MS患者さんと比べて、二次性進行型MSに“進行”する人が多いとの報告もあります[2]。このように、喫煙はMSの発症リスクを高めるだけでなく、症状が悪化するリスクも高めると考えられています[1]ので、是非とも禁煙していただきたいと思います。
中には、「電子タバコにしました」とおっしゃる患者さんもいらっしゃるのですが、「電子タバコならMSの発症・悪化リスクが低い」といったデータは報告されていませんので、お勧めしておりません。また、「吸い過ぎなければよい」といったデータも報告されていませんので、喫煙本数を減らしたり、軽いタバコに変えたりしたからそれでよいともいえません。
禁煙が難しい場合は、「禁煙外来」の受診を検討されてはいかがでしょうか。主治医に相談すれば、禁煙外来を紹介してもらえると思います。