チームMSに聞いてみよう
-多発性硬化症Q&A:病気・症状のこと-
サポートされていない古いバージョンのInternetExplorerを使用しているようです。ブラウザを最新バージョンのMicrosoftEdgeに更新するか、Chrome、Firefox、Safariなどの他のブラウザの使用を検討することをお勧めします。
多発性硬化症の情報サイト
-多発性硬化症Q&A:病気・症状のこと-
多発性硬化症(MS)は多くの場合、再発(症状が出る)と寛解(症状が治まる)を繰り返す「再発寛解型」の経過をたどりますが、次第に再発がなくても体の機能の障害が徐々に進行していく「二次性進行型」の経過をたどるようになります(下図)。
なお、再発がなくても水面下では、神経細胞を覆っているミエリンが持続的に障害されているといわれていますので、MSの再発予防と進行抑制の治療を継続的に行うことが非常に重要となります。
MSの再発予防と進行抑制が期待できるお薬は、「疾患修飾薬」と呼ばれています。日本では2000年に疾患修飾薬が登場して以来、MS患者さんの生活は大きく変わった印象がありますが、疾患修飾薬がなかった時代は有効な治療手段がなかったため、再発寛解型から二次性進行型に進行する患者さんも多く見受けられました。しかし現在では、適切な疾患修飾薬で治療をきちんと継続することで、二次性進行型に進行するまでの期間を遅らせることが期待できます。
日本神経学会が発行したMSのガイドラインによると、再発寛解型患者さんの約半数が、MS発病後15~20年の経過を経て「二次性進行型」に進行するとされています[1]。しかし、MSの経過は個人差が大きく、どの患者さんがどのような経過をたどるのかを予測することは困難です[1]。一方で、二次性進行型の発症年齢は平均38歳との報告[2]もあるように、二次性進行型に進行するタイミングは「40歳前後」が多い印象はあります。
「自分のMSはいつ進行してしまうのか…」など、予測しにくい未来をただひたすら怖がって悩むよりも、まずは「40歳代」を安定した状態で過ごすことを目標とされてはいかがでしょうか。20~40歳代は、学業や仕事、結婚、妊娠、出産、育児などライフイベントが重なる多忙な時期ではありますが、経過が長くなるにつれて再発の頻度は減少していくとの報告もありますので[1]、過度に心配せず、適切な治療をきちんと継続して、病気とうまく付き合いながら安定した状態を維持していきましょう。
【回答】慶應義塾大学 医学部 神経内科 教授 中原 仁 先生
日本神経学会 監修 『多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017』 医学書院 p116 2017年
Bsteh G et al.:PLoS One 11(7):e0158978, 2016