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多発性硬化症の情報サイト

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多発性硬化症(MS)で手足のコントロールが
うまくいかなくなったり、
細かい動作がやりにくかったりする場合のリハビリは?

多発性硬化症(MS)では、病巣の部位により運動麻痺や運動失調が出現して手足のコントロールがうまくいかなくなったり、動作の正確性が低下して生活内の細かい動作などに支障をきたす可能性もあるため、「手足のコントロール訓練」はとても大切です。

手足のコントロール訓練のポイント

  • 集中できる環境で、急がず丁寧に、正確性を高めるように行いましょう。
  • 正確にできたときの感覚を覚えて、繰り返しましょう。

動画を見ながらリハビリ

手足のコントロール訓練を動画に合わせて行いましょう!
【動画再生時間:11分32秒】

2018年10月作成

イラストを見ながらリハビリ

手足のコントロール訓練を項目別に分け、わかりやすいイラストとともに解説しています。

手のコントロール訓練

1. コインの移動〔5周程度×左右の手〕

コインを8枚程度ご用意ください

1 まずは1枚のコインを、利き手の親指と人差し指ではさみます。

コインの移動①

2 次はそのコインを親指と中指ではさむ…というように、順次、はさむ指を薬指、小指の順に、隣に移動させていきます。

コインの移動②
コインの移動③
コインの移動④

3 今度は逆に、そのコインを小指から薬指、中指、人差し指の順に移動させていきます。

コインの移動⑤
コインの移動⑥
コインの移動⑦

13で1周とし、これを5周程度行いましょう。終わったら、反対側の手でも同様に5周程度行いましょう。(時間がかかってもいいので、ゆっくり落とさないように)

2. コインをつかむ〔1回×左右の手〕

コインを8枚程度ご用意ください

8枚程度のコインをテーブルの上に置いた後、まずは利き手の指で1枚ずつつかみ、そのまま手のひらの中に入れていきます。できるだけ多くのコインを手のひらの中に入れましょう。終わったら、反対側の手でも同様に行いましょう。(時間がかかってもいいので、ゆっくりと落とさないように)

コインをつかむ①
コインをつかむ②

3. コインを積み上げる〔1回×左右の手〕

コインを8枚程度ご用意ください

「コインをつかむ」の訓練で手のひらの中に入れたコインを、今度は1枚ずつテーブルの上に、「人差し指が上、親指が下」の状態ではさみながら積み上げていきます。手の中のコインを全て使うつもりで積み上げていき、終わったら反対側の手でも行いましょう。(積んだコインが倒れても気にせず、そのまま続けましょう)

【ポイント】

  • この訓練は集中力が必要なので、精神的な疲れが出る場合があります。根をつめず楽な気持ちで!
コインを積み上げる①
コインを積み上げる②
コインを積み上げる③

足のコントロール訓練

4. 前後にボールを転がす〔5回ずつ×左右の足〕

ゴムボールやサッカーボールなど、丸くて転がるものをご用意ください

イスに座り、ボールの上に片足を乗せたまま、足の裏でボールを“前後”に転がします(ボールは足の裏から離しません)。これを5回ずつ行いましょう。終わったら、反対側の足でも同様に5回ずつ行いましょう。

【ポイント】

  • 乗せた足がグラグラしないよう、丁寧に足の裏で転がすこと!(足のコントロール訓練は全て同様)
前後にボールを転がす①
前後にボールを転がす②

5. 左右にボールを転がす〔5回ずつ×左右の足〕

ゴムボールやサッカーボールなど、丸くて転がるものをご用意ください

イスに座り、ボールの上に片足を乗せたまま、足の裏でボールを“左右”に転がします(ボールは足の裏から離しません)。これを5回ずつ行いましょう。終わったら、反対側の足でも同様に5回ずつ行いましょう。

【ポイント】

  • 乗せた足がグラグラしないよう、丁寧に足の裏で転がすこと!(足のコントロール訓練は全て同様)
左右にボールを転がす①
左右にボールを転がす②

6. 円を描くようにボールを転がす〔5回ずつ×左右の足〕

ゴムボールやサッカーボールなど、丸くて転がるものをご用意ください

イスに座り、ボールの上に片足を乗せたまま、足の裏でボールを円を描くように“時計回り”、“反時計回り”に転がします(ボールは足の裏から離しません)。これを5回ずつ行いましょう。終わったら、反対側の足でも同様に5回ずつ行いましょう。

【ポイント】

  • 乗せた足がグラグラしないよう、丁寧に足の裏で転がすこと!(足のコントロール訓練は全て同様)
円を描くようにボールを転がす①
円を描くようにボールを転がす②

7. 左右の足で交互にボールを転がす〔5回往復〕

ゴムボールやサッカーボールなど、丸くて転がるものをご用意ください

【ポイント】

  • ボールを転がすときの力加減に注意!
  • 体が揺れて不安定な場合は、イスの横かテーブル、またはベッドなどにつかまること!

1 イスに座り、ボールの上に右足を乗せた後、まずは左足側にボールを転がし、左足で止めます。

左右の足で交互にボールを転がす①
左右の足で交互にボールを転がす②
左右の足で交互にボールを転がす③
左右の足で交互にボールを転がす④
左右の足で交互にボールを転がす⑤
左右の足で交互にボールを転がす⑥

2 今度は、左足にあるボールを右足側に転がし、右足で止めます。

12で1回(往復)とし、これを5回行いましょう。

訓練は自分のペースで、回数にこだわらず、
疲れを感じたら無理をせずに終了してください!

もっと、MSについて聞いてみよう。

【監修】
医療法人セレス さっぽろ神経内科病院
言語聴覚士 堀田 弘伸 先生
理学療法士 吉田 良 先生

総監修
医療法人セレス さっぽろ神経内科病院 理事長 深澤俊行 先生

多発性硬化症や視神経脊髄炎などの神経難病に対する診療・研究を行う神経内科医。2007年に医療法人セレスを設立し、現在は理事長を務める。患者さんが社会や地域でよりよい生活を送ることを重視した診療を目指している。
【著書】やさしい多発性硬化症の自己管理/医薬ジャーナル社/2016(編)

メディカルノート:深澤俊行先生