声が思うように出せない症状が ある方へ
-呼吸発声訓練を行いましょう-
サポートされていない古いバージョンのInternetExplorerを使用しているようです。ブラウザを最新バージョンのMicrosoftEdgeに更新するか、Chrome、Firefox、Safariなどの他のブラウザの使用を検討することをお勧めします。
多発性硬化症の情報サイト
-呼吸発声訓練を行いましょう-
多発性硬化症(MS)では、話していると声が大きく出せない(小声)、イントネーションが思うようにつかない、などの言語症状がみられることがあります。これらは「呼吸発声機能」の低下が原因と考えられますので、「呼吸発声訓練」をしっかり行い、呼吸発声機能の維持・向上を目指しましょう。
呼吸発声訓練の3つのプログラム
呼吸発声訓練を動画に合わせて行いましょう!
【動画再生時間:19分6秒】
2018年10月作成
呼吸体操を項目別に分け、わかりやすいイラストとともに解説しています。
棒をご用意ください(両手を組みながら行っても可)
1 イスに座って棒を両手で持ち、まずは鼻から息をゆっくり吸いながら、4秒かけて両手を上げていきます※。
棒を両手で持つ
円を描くように上げる※
2 今度は口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて両手を下げ、最初の位置に戻します。
下げる
最初の位置に戻す
1~2で1回とし、これを5回行いましょう。
※:痛みを伴わない無理のない範囲で
棒をご用意ください(両手を組みながら行っても可)
1 イスに座って棒を両手で持ち、胸の高さまで水平に上げ、まずは鼻から息をゆっくり吸いながら、4秒かけて体を右側にねじります※。そして口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて体を正面に戻します。
右側にねじる※
体を正面に戻す
2 今度は鼻から息を吸いながら、4秒かけて体を左側にねじります※。そして、口から息を吐きながら、4秒かけて体を正面に戻します。
左側にねじる※
体を正面に戻す
1~2で1回とし、これを3回行いましょう。
※:痛みを伴わない無理のない範囲で
1 イスに座って手を軽く握り、両腕を直角にまげて、顔の前に持ってきます。
両腕を直角に曲げる
2 まずは鼻から息をゆっくり吸いながら、4秒かけて両腕を左右に広げ※、胸を横に伸ばします。
両腕を左右に広げる※
3 今度は口から“フー”と息を吐きながら、4秒かけて両腕を最初の位置に戻します。
最初の位置に戻す
1~3で1回とし、これを5回行いましょう。
※:痛みを伴わない無理のない範囲で
1 イスに座ってまずは左手を頭上に上げ、鼻から息をゆっくり吸いながら、体を右側に4秒かけて倒します※。そして、口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて体を最初の位置に戻します。
左手を上げて体を右側に倒す※
最初の位置に戻す
2 今度は右手を上げ、同様に鼻から息を吸いながら、4秒かけて体を左側に倒します※。そして、口から息を吐きながら、4秒かけて最初の位置に戻します。
右手を上げて体を左側に倒す※
最初の位置に戻す
1~2で1回とし、これを3回行いましょう。
※:痛みを伴わない無理のない範囲で
1 イスに座り、肩の力を抜いて両腕を下ろします。
2 まずは鼻から息をゆっくり吸いながら、4秒かけて両腕を横から円を描くように上げていきます。しっかりと手を真上まで上げていきます※。
円を描くように上げる※
3 今度は口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて両腕をゆっくりと下げ、最初の位置に戻します。
最初の位置に戻す
1~3で1回とし、これを5回行いましょう。
※:痛みを伴わない無理のない範囲で
1 イスに座り、胸の前で両手を組みます。
胸の前で両手を組む
2 両手を組んだまま、まずは口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて頭を前に倒し、組んだ手を前方に押し出します。
組んだ手を前方に、背中を丸めて背中の筋肉を伸ばす
3 今度は鼻から息を吸いながら、4秒かけて組んだ手と体を最初の位置に戻します。
最初の位置に戻す
1~3で1回とし、これを5回行いましょう。
1 イスに座ってお腹に両手を当て、まずは口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、お腹をへこませていきます。
お腹をへこませる
2 今度は、鼻から息をゆっくり吸いながら、お腹を大きく膨らませていきます。
お腹を膨らませる
1~2で1回とし、これを5回行いましょう。
呼吸体操に関するQ&Aをご紹介いたします。
【A】
棒などを持つ
両手を組む
【A】
発声持続訓練をわかりやすいイラストとともに解説しています。
姿勢をまっすぐにして、お腹に両手を当てます。そして、お腹が膨らむように鼻から息を深く吸い込んでから、声帯に無理がかからない程度の大きめの声で「アー」とできるだけ長く発声します(目標は10秒以上)。これを3回行いましょう。
お腹を膨らませる
発声持続訓練に関するQ&Aをご紹介いたします。
【A】発声持続訓練を行うことで、声帯運動を促し、声を大きくかつ長く出せるようになることが期待されます。
【A】発声の持続時間は、成人で10秒以上(健康成人 男性:25秒前後、女性:15秒前後)が正常範囲で、それ未満だと日常会話で不自由さを感じることがあります。
イントネーション訓練をわかりやすいイラストとともに解説しています。
文章を文節ごとに区切り、一部分の文節のみを大きな声で強く音読します。例えば、下記のことわざを音読する場合、二重下線の引いてある強調箇所を大きな声で強く、ゆっくりと音読します。
下記の20個のことわざを1文ずつ音読していきましょう。特に、二重下線の引いてある強調箇所については、大きな声で強く、ゆっくりと音読してみましょう。強調箇所を変えて2パターンずつ用意してあります。(ことわざの他に、新聞や本などの短い文章を使用して行うのも良いでしょう。)
イントネーション訓練に関するQ&Aをご紹介いたします。
【A】多発性硬化症でみられやすい「言語症状」として、イントネーションが思うようにつかない、話していると声が大きく出ない、などの症状がみられることがあります。
このような言語症状に対して、イントネーション訓練を行うことで、声が大きく、かつ意図したところを強調できるような発話が期待されます。
【監修】
医療法人セレス さっぽろ神経内科病院
言語聴覚士 堀田 弘伸 先生
理学療法士 吉田 良 先生
多発性硬化症や視神経脊髄炎などの神経難病に対する診療・研究を行う神経内科医。2007年に医療法人セレスを設立し、現在は理事長を務める。患者さんが社会や地域でよりよい生活を送ることを重視した診療を目指している。
【著書】やさしい多発性硬化症の自己管理/医薬ジャーナル社/2016(編)