うまく話せない症状がある方へ
-発音訓練を行いましょう-
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多発性硬化症の情報サイト
-発音訓練を行いましょう-
多発性硬化症(MS)では、話しているとろれつが回らない、発音しづらい言葉がある、などの言語症状がみられることがあります。これらは「口腔構音機能(唇や舌の動き)」の低下が原因と考えられますので、「発音訓練」を行い、口腔構音機能の維持・向上を図りましょう。
発音訓練の2つのプログラム
発音訓練を動画に合わせて行いましょう!
【動画再生時間:9分15秒】
2018年10月作成
口の体操を項目別に分け、わかりやすいイラストとともに解説しています。
鏡をご用意ください
鏡で口元を見ながら、背中を伸ばしてゆっくりと
1 口を大きく開けます。
2 口を閉じます。
1~2で1回とし、これを5回行いましょう。
鏡をご用意ください
鏡で口元を見ながら、背中を伸ばしてゆっくりと
1 口を軽く開けて、舌をまっすぐ外に突き出します。
2 口の中に舌を戻します。
1~2で1回とし、これを5回行いましょう。
鏡をご用意ください
鏡で口元を見ながら、背中を伸ばしてゆっくりと
1 口を軽く開けて舌を外に出し、舌先を鼻に近づけます(舌を上げる)。
2 舌先を下あごに近づけます(舌を下げる)。
1~2で1回とし、これを5回行いましょう。
鏡をご用意ください
鏡で口元を見ながら、背中を伸ばしてゆっくりと
1 口を軽く開けて、舌先を唇の右端に付けます。
2 舌先を唇の左端に付けます。
1~2で1回とし、これを5回行いましょう。
鏡をご用意ください
鏡で口元を見ながら、背中を伸ばしてゆっくりと
1 「ウー」と言いながら、唇を突き出します(「ウ」の口の形に)。
2 今度は「イー」と言いながら、唇を横に引きます(「イ」の口の形に)。
1~2で1回とし、これを5回行いましょう。
鏡をご用意ください
鏡で口元を見ながら、背中を伸ばしてゆっくりと
1 口をしっかり閉じます。
2 ほほを膨らませます。
3 ほほをへこませます。
4 唇を破裂させ、“ポンッ”と唇を鳴らします。
1~4で1回とし、これを5回行いましょう。
口の体操に関するQ&Aをご紹介いたします。
【A】口の体操(あご、舌、唇、ほほ)を行うことで、発話にかかわる筋肉の動きを向上させ、発話しやすくなることが期待されます。なお、口の体操を行う際は、背中を伸ばし、鏡で口元を見ながら、舌や唇などがきちんと大きく動いていることを確認しましょう。
短文の発音訓練をわかりやすいイラストとともに解説しています。
文章を文節ごとに区切り、口を大きく動かしながら、ゆっくりと音読します。例えば、下記のことわざを音読する場合、文節ごと〔斜線( / )部分〕に口を大きく動かしながら、ゆっくりと音読します。
下記の44個のことわざを1文ずつ音読していきましょう。文節ごとに斜線( / )が入っていますので、文節ごとに口を大きく動かしながら、ゆっくりと音読してみましょう。(ことわざの他に、新聞や本などの短い文章を使用して行うのも良いでしょう。)
短文の発音訓練に関するQ&Aをご紹介いたします。
【A】ろれつが回らない、息が続かずに不自然なところで区切りを置いてしまう、話す速度が速くなったり遅くなったりと乱れる、などの言語症状に対し、短文の発音訓練を行うことで、より自然で聞き取りやすい発話ができるようになることが期待されます。
【監修】
医療法人セレス さっぽろ神経内科病院
言語聴覚士 堀田 弘伸 先生
理学療法士 吉田 良 先生
多発性硬化症や視神経脊髄炎などの神経難病に対する診療・研究を行う神経内科医。2007年に医療法人セレスを設立し、現在は理事長を務める。患者さんが社会や地域でよりよい生活を送ることを重視した診療を目指している。
【著書】やさしい多発性硬化症の自己管理/医薬ジャーナル社/2016(編)