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多発性硬化症の情報サイト

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MS診断後の出産・子育てはどうしたらいい?

福岡市在住の専業主婦であるMさん(28歳)は、
4年前のある日の朝、右眼に違和感を覚え、数日後にはほとんど見えなくなりました。
すぐに近くの眼科を受診したところ、大学病院を紹介され、そこで受けた検査で多発性硬化症(MS)と診断されました。
治療で眼の症状はよくなりましたが、後遺症が残ってしまったと言います。MS診断後に2人のお子さんの出産を経験し、
MSとわかる前に授かった2人の子を含む4人の母として家事や育児に日々奮闘しています。
発症当時や病気になってからの生活、病気への思いについてお聞きしました。

サムネイル画像:Mさん

Mさん(28歳) 福岡市

〜同じ病気を抱える方にメッセージをお願いします〜

いつもと違う症状や不調などがあり、「おかしい」と感じたら、主治医に連絡して受診することが大切だと思います。また、日々の症状や受診した際の治療・検査内容などを記録しておくと、似たような症状が出てきた時に過去の治療や検査内容を思い出せるので、不安を軽減でき、慌てずに対応できると思います。

再発予防に努め、念願の年子を出産

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ある日突然、「右眼が見えない」

病気とわかる前に気になる症状はありましたか?

最初の症状は、右眼にボールが当たった後に現れるチカチカする感じがあり、それが数日間続きました。心配になって近隣の眼科を受診したところ、ドライアイと診断されました。処方された点眼薬を投与していたのですが、数日後には視野が真っ黒になり、何も見えなくなったので「ただ事ではない」と思い、眼科を再受診。医師から「虚血性視神経炎」の疑いを指摘され、大学病院を紹介されました。

病名が判明した経緯について教えてください

紹介を受けた大学病院に1カ月ほど入院して、視野検査、髄液検査、MRI検査などを行いました。医師からは「重篤な視神経炎を伴う活動性の高いMS」と診断され、即入院となりました。

子どもの成長が“生きる支え”

病名がわかった時はどのようなお気持ちでしたか?

動揺してしまい、先生からの説明は頭に入ってきませんでした。MSについて詳しく解説した冊子を渡されましたが、現実を突きつけられるようで、怖くてしばらくは読めなかったですね。それに当時、視神経炎で「失明するかもしれない」と先生に言われ、MSは一生治らない難病であるとも聞き、人生のどん底にいるような気分でした。何より、足や眼の症状を抱えながら子どもを育てられるかという不安が大きかったです。

今はどのような症状がありますか?

右眼の見え方は以前よりよくなりましたが、後遺症が残りました。白い壁が青白く見えるといった色覚異常、かすみ目などがあります。見える色が左右で違うため、違和感がありますね。左足のしびれは治療でだいぶよくなりましたが、身体が疲れやすく、夕方になると足の脱力や手のしびれが現れます。夏場はウートフ徴候が生じやすく、気温が高い日は体力的にしんどいことが多いです。

写真:家族でイルミネーションを見ているMさん

出産後よい状態を維持し、次の妊娠・出産に臨む

MSと診断を受けてから、気持ちや生活に変化はありましたか?

病気とわかった直後は混乱してしまい、どうしたらよいかわからなかったです。でも、子どもたちのために頑張らないといけないという思いが、自分を奮い立たせていました。歩けなくなると子どもと遊べないので、足を動かすことに努めました。右眼の見えづらさとは、一生うまく付き合っていこうと思っています。

病気を抱えながらの妊娠・出産でどのような心配がありましたか?

MSになってからも3人目の子どもの妊娠・出産願望があり、主治医にも伝えていました。
先生は私の症状や治療状況を踏まえ、「いつでも妊娠して大丈夫だよ」と言ってくださって。自然に妊娠し、出産しました
4人目を産むことに関しては、「MS患者さんでは出産後3~6カ月間は再発リスクが高いため[1]注意が必要です」との説明を受けました。幸い3人目の子を出産後再発はなかったため、症状が落ち着いているうちに、間をあけずに年子で産みたいと先生に相談しました。夫も理解してくれて、望んだタイミングで4人目の子を妊娠し、出産できました。

※MS治療薬の中には、妊娠を希望する場合に服用できない薬があります。必ず主治医にご相談ください。 

画像:Mさんのスケジュール(平日)

大事なことは忘れないように欠かさずメモ

生活する上で気をつけていることはありますか?

MRI検査で脳や視神経、脊髄に病巣が見つかり、主治医から高次機能障害のリスクがあると告げられました。日々忘れっぽいことを自覚しているので、大事なことはスマートフォンなどにメモして忘れないよう心がけています。
日常生活では無理しすぎないことが大事だと思うのですが、家事・育児をしていると休息をとりづらいのが実際です。上の子ども2人は小学生で、私の眼が見えづらいことや足が動きにくいことを理解しており、症状が悪化して再入院してほしくないと思っています。そのため家事や育児を手伝ってくれるので、助かりますね。

励みになったご家族からの言葉は?

「将来足が動かなくなったらどうしよう」と弱音を吐いた時に、夫が「その時は一番高級な電動車椅子買ってあげるよ」と言ってくれたことが嬉しかったですね。また、症状が悪化して落ち込んでいた時に「誰でも歳をとれば身体が悪くなるし、MSも同じじゃない」という夫からの言葉にも救われました。

写真:ご主人と一緒にお子さんを抱き上げるMさん

SNSでの同病者との交流が活力に

心の支え、生きる活力になっているものは?

やっぱり一番の支えは、子どもたちをしっかり育てるという使命感みたいなものでしょうか。SNSのオープンチャットで同病者の方々と日々情報交換しており、妊娠希望、妊娠中、育児中のMS患者さんから応援のコメントをもらったりして、とても励まされました。私もSNSを介して同病者の方に自分の経験をお伝えしています。

今後の目標があれば教えてください

子どもたちが20歳になるまで、目が見える、手足が動ける状況を維持したいです。

  1. ・Confavreux C,Hutchinson M,Hours MM,et al.Rate of pregnancy-related relapse in multiple sclerosis.Pregnancy in Multiple Sclerosis Group.N Engl J Med.1998;339:285-291.
    ・Villaverde-González R,Candeliere-Merlicco A,Alonso-Frías MA, et al.Discontinuation of disease-modifying treatments in multiple sclerosis to plan a pregnancy:A retrospective registry study.Mult Scler Relat Disord.2020;46:102518.