タイポスコープを使うと、文字の読み・書きがしやすくなります。
文字を読むとき、書くときに役立つ道具のひとつに、タイポスコープと呼ばれるものがあります。自分で作ることもできる簡単な道具ですが、持っているとたいへん便利です。
駿河台日本大学病院 眼科
視能訓練士 菊池 由夏子
タイポスコープは、文字を読みやすくする道具です。
書類や本・雑誌などを読むときに、行を読み飛ばしたり、何度も同じ行を読んでしまったりと、 文章に集中できないことってありますよね?そこで便利なのがタイポスコープと呼ばれるものです。
タイポスコープとは、台紙(黒色が好ましい)に窓を開け、読書時に読みたい行に窓を置いて、 字を読みやすくするものです。(図1)
窓に読みたい部分が現れるので集中して文章を読むことができ、さらに、黒枠にすることで眩しさを軽減し、 読みたい部分がはっきりと強調されます。
ご家庭でも手軽にタイポスコープが作れます。
読字用のタイポスコープは自分でも手軽に作ることができます。厚手の紙(牛乳パックなど)に黒い紙を貼り合わせ、 好きな大きさに切り、読みたい文章の行間の幅に合わせて窓を切り抜くだけです。単行本、雑誌など、よく読む本の大きさに合わせて いくつか作っておくと便利です。
読む時だけでなく、書く時にも役立ちます。
また、書字用のタイポスコープも同様に作ることが可能です。タイポスコープを使うことで、罫線の色が薄いノートや便せんでも書きやすく、 文字を一列に揃えて書くことができます。窓を開ける位置を工夫すると、はがき用のタイポスコープなども作れますよ!(図2)
※視能訓練士とは?
視能訓練士(ORT)は、眼科医の指示のもとで、視機能障害者の回復に必要な検査と訓練を行う、国家資格を有する医療技術者です。
印刷して作ってみよう!書字用タイポスコープ
黒い台紙に窓が開いているタイポスコープは、読みたい部分や書きたい部分を強調できる、とても役に立つアイテムです。 簡単な文章やハガキの宛名を書くのに便利なものですので、ぜひご活用ください。