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加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)の情報サイト

監修:
北野病院 病院長
吉村長久先生

眼の病気は意外と気づきにくいものです。

両眼視とは

ヒトの眼は2つあり、それぞれに異なる視野を持っています(具体的には鼻側60度、耳側100度程度あります)。両眼で異なる視野を持つとはいえ、私たちが眼にしている多くの部分は、それぞれの視野が重なった領域です(前方約120度分)(図)。

これは、「両眼視」と呼ばれるヒトの眼の優れた機能で、2つの眼で見ることによって、ヒトは広い視野を得たり、奥行きを知覚したりしています。

ところが、病気の発見に限ってみると、この両眼視の機能が不利に働く場合があります。
たとえば、もしも片方の眼が悪くなっていても、ある程度まではもう片方の眼が視野や視力を補い、普段の生活では初期症状に気づかないことがあります。ある程度病気が進行してくると、明らかに症状を自覚できるようになりますが、病気が初期のうちは、奥行きがうまく認識できずに「針に糸を通したり、包丁を扱ったりすることがやりにくくなった」と感じていても、その根本的な原因が眼の症状にあると気付かない場合が多々あります。

両眼でものをみる時の視野の重なりイメージ