網膜内の血管の構造と働き
網膜中心動脈と網膜中心静脈は、視神経の中を並んで走っており、視神経乳頭のところで4本に枝分かれして網膜に広がっています。心臓から動脈を通って網膜へ入ってきた血液は、毛細血管へ分かれて末梢である網膜の細胞に酸素や栄養を渡し、老廃物を受け取って静脈に入り心臓へ帰ります。
静脈が閉塞する原因は、眼の動脈硬化
動脈と静脈が視神経の中で並行して走っている部分および網膜内で交叉している部分は、血管の膜を共有し、接しています。この部分で動脈硬化が起こると、動脈が静脈を圧迫して、静脈内の血流が滞ります。そうすると血液が凝固し血栓ができて静脈が閉塞します。
網膜静脈閉塞症の眼で起こる現象
静脈が閉塞してうっ血し、静脈内の圧力が高まると、閉塞した箇所の上流部分の網膜へ血液や水分が漏れ出て、眼底出血を起こしたり、網膜がむくんだり(網膜浮腫)します。これが、網膜静脈閉塞症になった眼の状態です。
目詰まりしたホース(静脈)に水(血液)を流すと、やがてホースの内圧が高まり穴が開いて水が飛び出し、周り(網膜)を水浸しにしてしまうのと同じことが、眼底で起こっています。