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網膜静脈閉塞症(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)の情報サイト

どんな病気なのか?

網膜静脈閉塞症は、読んで字のごとく、網膜の血管(静脈)が目詰まりを起こし(閉塞)、網膜がむくんだり出血したりして、ものが見えにくくなる病気です。

この病気は、血圧の高い方、慢性腎臓病の方で発症するリスクが高いことが知られており、男性では40代以降、女性では50代以降に、加齢とともに発症しやすくなります[1]。日本人では40歳以上の約50人に1人(2.1%)に発症し、有病率(ゆうびょうりつ)は他のアジア人や白人より高いです[2]

眼の構造と働きについて

眼に入った光の情報は「角膜」「瞳孔」「水晶体」「硝子体」を通って「網膜」の上に像を結びます。その情報は「視神経」を通じて「脳」に伝えられ、最終的に「映像」として認識されます。目の働きはしばしばカメラにたとえられ、水晶体はレンズ、網膜はフィルムの役割をしているといわれています。

眼の基本構造の画像

ものを見るうえで、重要な役割を担う黄斑(おうはん)

フィルムの役割をしている網膜の中でも、視力をつかさどる重要な細胞が集中しているのは黄斑(おうはん)と呼ばれる中心部分です。黄斑は、ものを見るために一番重要な部分で、ものの形、大きさ、色、奥行、距離などの光の情報の大半を識別しています。

この部分に異常が発生すると、視力の低下をきたします。また、黄斑の中心部には中心窩という最も重要な部分があり、この部分に異常をきたすと、視力の低下がさらに深刻になります。

眼底の正面図(正常な眼)の画像

写真提供:日本大学 名誉教授 湯澤 美都子先生

黄斑の範囲は、厚生労働省 網膜脈絡膜・視神経萎縮症研究班「加齢黄斑変性の分類と診断基準」に準じました。

見え方や視野に現れる異常

網膜静脈閉塞症も、この黄斑の部分に異常が生じて発症します。静脈の閉塞を発端にむくみ(浮腫)や出血が起きることで、急激に視力が低下したり、視野の一部が欠けたり、もやがかかったように見える症状が現れます。似たような自覚症状がある方は、「自己チェック」のページから見え方を確認してみてください。

急激な眼のかすみ
急激な視力低下
視野が欠ける
出血したところが黒っぽく見える
  1. Arakawa S., et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci., 52(8), 5905(2011)

  2. Yasuda M., et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci., 51(6), 3205(2010)