見えないなりに、なんとかしたい。
日常を少しでも快適にするための、私のアイデア。
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見えないなりに、少しでも快適にすごせる方法を自分で考える
トイレットペーパーを使うときが不便なんです。白い紙に白い紙が重なっているためどこに切れ目があるのかわからない。なんとかならないものかと考えて、切り口のところへ硬いカードを切って貼りつけました(右の写真の赤い部分)。こうすると、トイレットペーパーをミシン目で破る際にそこだけ残るので、次に使うときには切れ目がどこか、手で触っただけですぐにわかるんです。
ただ、この方法は…ペーパーの材質や切り方によって、だいぶ使い勝手が変わってしまいます(笑)。トイレットペーパーをミシン目で破るときも、うまくパッと切らないとダメ。自分だけじゃなくて、トイレを使う人みんなができないといけないから、家族の協力が必要なんです。それでも、不便なことについては改善策を自分なりに考えています。いつも「なんとか良くしてやろう」という気持ちでないと。見えないなら見えないなりに、なにか方法がないかと、常にそういう気持ちでいます。
カラーラベルにボッチにファスナー靴。便利なものは身近にある
カラーラベルとボッチはとても重宝していて、家中のいろんなところに貼ってあります。壁のスイッチなど、目で見て確認するものにはカラーラベル。ひげそりの透明な蓋なんかは、そのまま置いてあると「どこへやったっけ?」とわからなくなりますが、カラーラベルが貼ってあるとすぐにわかります。赤いラベルがいちばん目立ちますね。
トイレや電子レンジのボタンなど、いつも押すところに貼るものを「ボッチ」と呼んでいます。出っ張っているからわかりやすい。全部につけないで、いつも使うところだけにつけています。方向を確認するのにも良いですね。マンションの鍵って、方向があるんですよね。反対だと入らない。最初のころはどちらの方向かわからなくて大変でしたが、いまはボッチをつけたのですぐに認識できます。
それから、ファスナーつきの靴。目が見えないと、靴べらを探すのも、かがんで靴ひもを結ぶのもすごく大変なんです。その点、ファスナー式はスッと履けるから重宝しています。