一日でも長く働き続けるために。
毎日をより明るく過ごすために。(2ページ目)
悲観していても始まらない。ゆっくり自分のペースで行けばいい。
今まで見えていたものが見えにくくなっていく…。 日常生活に支障が出るのはもちろん、私の場合は営業職という仕事柄、販売する商品に関連する膨大な資料を読む必要に迫られます。
そこで、拡大コピーをしてじっくり時間をかけて読むように。 また、中心で見るより、周りで見るようにするクセをつけました。 最初はなかなか上手にはできませんでしたが、訓練と慣れの両方でだんだんとできるようになりました。
他の人と同じようなスピードは難しいけれど、自分のペースで時間をかけて じっくり仕事をすればいいのだと考えるようにしています。
病気になったことや日々のわずらわしさに落ち込んでしまうと、毎日がつらいものだけになってしまいます。 この病気になったことは、もう変えられない。変えられるのは、自分の心と行動だけ。
悲観するより、これからの人生をどうすれば上手く過ごしていけるかを考えることが大切だと思っています。
自分にあるものの全てに感謝を。前向きな気持ちが生まれてくる。
「なぜ私だけがこんな病気に?」。私も発病当初は悩み、精神科に通ったりするほどでした。 けれども多くの患者さん、加齢黄斑変性だけでなく、がんなどになった方々の、頭が下がるようなガマンをしている体験談を聞くにつれ、 少しずつ気持ちが変わっていきました。
「ありがとう」という言葉がありますが、これは「あるのが難しい、だから感謝する」という意味なんですよね。 この病気になって、初めて感じた見えることへの感謝の気持ち。
私にはまだ、仕事を続けていくだけの視力が残されている。自由に動く手足もある。支えてくれる家族や仕事仲間もいる。 今、自分にあるものの全てに感謝する気持ちが生まれたことで、前向きな毎日が送れるようになりました。
田中さんがいつも使っている拡大鏡