病的近視の治療の効果を確認したり、再発していないかを確認するためには、定期的に検査を受けることが大切です。主に、下記のような検査を行って、確認・判断します。
1.視力検査
視力表を用いて測定します。眼鏡などを使わずに測定し(裸眼視力といいます)、基準となる視力が得られない場合は、検査用の眼鏡を用いて、最大の視力(矯正視力といいます)が出るまでレンズを替えて調べます。
どこまで小さい文字が見えるかによって視力を判定します。
2.眼底検査
細隙灯顕微鏡を用いるなどして、眼底にある網膜の状態を調べます。細隙灯顕微鏡から、眼底に細くて強い光を当て、病気の所見を拡大して調べます。病的近視では、ブルッフ膜が引っ張られてできた裂け目(ラッカークラック)や出血、脈絡膜の萎縮を確認します。
写真提供:日本大学 名誉教授 湯澤 美都子先生
写真提供:東京医科歯科大学 大野 京子先生
3.網膜断層検査(光干渉断層計)
光干渉断層計を用いて、眼底組織の断面の状態を詳しく調べます。光干渉断層計は、網膜の断面を画き出します。この検査で、病的近視による黄斑浮腫(むくみ)、網膜剥離(網膜が浮き上がっているところ)、脈絡膜新生血管などの症状が改善したか、もしくは再発したかを確認します。
写真提供:日本大学 名誉教授 湯澤 美都子先生
写真提供(左):いくの眼科院長・大阪大学招へい教授 生野 恭司先生
写真提供(右):東京医科歯科大学 大野 京子先生
4.フルオレセイン蛍光眼底造影
蛍光色素を含んだ造影剤を腕の静脈から注射し、眼底カメラで眼底の血管の異常を検査します。新生血管や、新生血管から漏れた水分や血液がどこに存在するのかを確認します。
写真提供:東京医科歯科大学 大野 京子先生