正常な眼
正常な眼は、近くを見るときは水晶体がふくらんで光の屈折を強くし、遠くを見るときは薄くなって光の屈折を弱くすることで、焦点を網膜に合わせます。
強度近視
強度近視には、「軸性近視」と「調節性近視」の2つがあります。
軸性近視
眼軸(がんじく:角膜の頂点から中心窩までの長さ)が前後に伸びることによって、近視が生じることを軸性近視(じくせいきんし)と言います。それにより、網膜(中心窩)より手前で焦点が合い、像がぼやけて見えます。軸性近視が強くなる、すなわち強度近視になると、眼軸の延長の程度が大きく、眼底に様々な異常を来たす危険性があります。
調節性近視
角膜と水晶体を通った光が網膜に焦点が合うよう調節できない状態です。
水晶体の厚みの調節がうまく行かない時に生じます。
強度近視から病的近視への変化
強度近視で眼軸が長いと、網膜や脈絡膜が後方に引き伸ばされ、負荷が増強します。このように、網膜や脈絡膜へ負荷がかかることで、眼底にさまざまな異常が生じた強度近視を、病的近視と呼びます。
視覚障害者手帳交付の原因疾患[1]
第1位 緑内障
第2位 糖尿病網膜症
第3位 網膜色素変性
第4位 黄斑変性症
第5位 強度近視
強度近視で眼軸が長い傾向にある方は、病的近視への変化に注意を払い、もしも異常が生じたら早期に治療を行なうことが大切です。
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網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する研究 平成17年度総括・分担研究報告書42. わが国における視覚障害の現状
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Yoshida T. et al.: Ophthalmology 110: 1297, 2003.