筋緊張低下、筋力低下や筋肉がやせ細る(筋萎縮)といったSMAの症状は、タイプによって大きく異なります。
ここでは、重症度の高いⅠ型SMAの身体的特徴を紹介し、SMAと似た症状のある疾患を解説します。
Ⅰ型SMAの身体的特徴
乳幼児期に発症するⅠ型は、成人してから発症するタイプに比べて症状の進行が早く、重症となるため 、早めの治療が必要です。
- ミルクの飲みが悪い、同じ時期に生まれた子と比べて成長が遅い、泣き声が弱い、おとなしい、唾液を飲み込めない
- フロッピーインファント※ が観察される
- マシュマロ様の筋のやわらかさ
- 咳が目立ち、呼吸が苦しそう
- 胎動が少なかった
- 舌に細かいふるえがみられる(舌の線維束性収縮)
- 息を吸うときに胸がくぼみ、息を吐くときにお腹がへこむ(シーソー呼吸)
※ フロッピーインファント(floppy infant)とは
筋緊張低下のため、からだがやわらかく、ぐにゃぐにゃしているように感じる状態の乳児

あおむけで寝かせると、“カエルの足”のように足がベタっと床についている(蛙足肢位)

引き起こすと、頭がうしろに垂れ下がったままである(引き起こし反応)

うつぶせの状態で抱き上げると逆U字型にだらりとする(逆U字姿勢)

両脇に手を入れて持ち上げると肩と腕が持ち上がりすべり落ちそうになる(弛緩肩)

首に手がスカーフのように巻き付いてしまう(スカーフ徴候)

あおむけに寝かせて、かかとを耳につけようとすると簡単にできてしまう(踵耳徴候)

上半身と下半身がぴったりついてしまうほど、からだがやわらかい(二つ折れ現象)

息を吸うときに胸がくぼみ、息を吐くときにお腹がへこむ(シーソー呼吸)

舌に細かいふるえがみられる(舌の線維束性収縮)
標準小児科学第8版(内山聖監、原寿郎・高橋孝雄・細井創編)斎藤加代子, 第23章 神経筋疾患 医学書院,東京2013.12.1;671-689
SMA以外に筋緊張低下、筋力低下や
筋肉がやせ細る(筋萎縮)といった症状があらわれる病気
乳幼児期
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新生児期
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乳幼児期に筋緊張低下を示す疾患の中におけるSMAの見分け方
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