視力を保つためにできること
糖尿病網膜症も糖尿病黄斑浮腫も、自覚症状のない初期の段階で診断を受け、治療を始めれば、視覚障害を防ぐことができます。糖尿病網膜症は、糖尿病にかかってから7~10年程度で発症すると言われています。しかし、2型糖尿病の場合は「糖尿病」と診断されるずっと前から糖尿病にかかっている可能性があり、診断時にはすでに「糖尿病歴8年」ということもありますので、糖尿病と診断されたら、なるべく早めに眼科を受診することと、定期的な検診を受け続けることが大切です。
眼科では…
眼科では、眼底検査などを行い、網膜や硝子体が出血したり、濁っていないかを調べ、病気の進行を確認します。
眼の中の病気を早めに見つけるためには、まずは一度お近くの眼科を受診してください。また、一度の検査で「異常がない」と言われても、定期的な眼科受診で症状が現れる前に病気を見つけられるようにしましょう。
眼科の検査ってどんなもの?
デリケートな眼の検査だからといって身構えることはありません。糖尿病網膜症が発症していなければ、検査は1年に1回。所要時間は、瞳孔(どうこう)を開く散瞳薬(さんどうやく)を点眼後、15~30分待ち、眼底検査で5分程度、網膜断層検査で5~10分程度です。糖尿病網膜症を調べるための検査には、主にどんなものがあるのか、見てみましょう。
下記の検査で眼の中の状態がわかります
視力検査
おなじみの視力表を用いた測定です。
視力は必ず計測します。
眼底検査
眼底カメラなどを使って、眼の中の状態を調べます。といっても、眼の中になにかを入れたりするわけではなく、眼に光を当てて、のぞくだけです。
眼底写真(正常な眼の場合)
糖尿病黄斑浮腫の眼底写真
網膜断層検査(もうまくだんそうけんさ)
光干渉断層計(OCT)は、眼底に弱い赤外線を当てて反射してきた波を解析し、網膜の断層を描き出す装置。この装置で眼底組織の断面の状態を詳しく調べることができます。
OCT(正常な眼の場合)
OCT(糖尿病黄斑浮腫の眼の場合)
写真提供:名古屋市立大学 視覚科学 名誉教授 小椋祐一郎先生