サポートされていない古いバージョンのInternetExplorerを使用しているようです。ブラウザを最新バージョンのMicrosoftEdgeに更新するか、Chrome、Firefox、Safariなどの他のブラウザの使用を検討することをお勧めします。

重症花粉症の情報サイト

花粉症にはタイプとレベルがある

花粉症は、症状の種類や強さによって「病型(病気のタイプ)」と「重症度(病気の重さのレベル)」が決められます。病型と重症度の分類は治療方針に大きく影響するため、問診では、症状の種類や強さについて、詳しくたずねられることが多いです。
病型は、くしゃみ・鼻漏(鼻水)が強い「くしゃみ・鼻漏型」、鼻閉(鼻づまり)が強い「鼻閉型」の大きく2種類に分けられます。両者が同じ強さの場合は「充全型」と分類されます。重症度は、「軽症」「中等症」「重症」「最重症」に分けられ、「1日に起こるくしゃみ発作の平均回数」「1日に鼻をかむ平均回数」「鼻づまりの程度」によって判定されています。その詳細を示しているのが下の表です。

アレルギー性鼻炎症状の重症度分類

ご自分の症状の病型(タイプ)と重症度(レベル)を花粉症チェッカーから確認し、
医師に相談してみましょう。

重症花粉症治療の3ステップ

重症花粉症を治療するには、治療のゴールをご自分で思い描き、医師と共有して最適な治療を続けることが大切です。そのステップとして、ご自分の症状の状態を正確に理解し、ご自分に合った治療方法を医師と相談し、正しい治療を続けましょう。

STEP 01
自分の花粉症のレベルを知る

あなたの花粉症の重症度(レベル)は、どれでしたか?
花粉症の重症度は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの程度を組み合わせて算出します。この結果に、日常生活を送る上での困り具合を加えて、重症度を判定します[1]。花粉症の病型(タイプ)は、くしゃみ・鼻水が主体の場合は「くしゃみ・鼻漏型」、ほかの症状よりも鼻づまりが強い場合は「鼻閉型」、どちらも同じ程度の場合は「充全型」の3タイプです。それぞれの症状の強さから、「最重症」「重症」「中等症」「軽症」の4つの重症度に分類されます。

イメージ:自分の花粉症のレベルを知る
↓
イメージ:治療内容を医師と相談する

STEP 02
治療内容を医師と相談する

花粉症治療で大切なのが、医師とのコミュニケーションです。
花粉症という疾患やご自分の重症度をよく理解し、どんな症状に困っているか、これまでどんな治療をしてきたか、今回の治療で改善したいのは何かを、医師にしっかり伝えましょう。治療薬は、花粉症の病型と重症度をふまえて選択されます[2]。薬の使用方法をよく理解して、医師の指示に従って使用しましょう。勝手な自己判断での使用中断や変更は禁物です。医師とのコミュニケーションを十分にとることで、治療に対する満足度が向上する、という研究結果もあります[3]

↓

STEP 03
正しい治療を続ける

花粉症は、薬による治療の進歩や、シーズンに入ったら早めに治療を開始し、症状に応じて複数の薬を組み合わせて使用することで、ある程度、症状をコントロールすることができるようになってきました[2]とはいえ、最適な治療というのは、患者さんによって異なります。医師とよく相談し、協力しあって治療を続けることが大切です。
また、抗原となる花粉を取り除くことや、避けることも、有効な治療方法のひとつですが、この治療は患者さん本人にしかできません。花粉の飛散情報をこまめに確認し、メガネやマスクなどの対策グッズを上手に取り入れることで、つらい時期を乗り越えましょう。

イメージ:正しい治療を続ける

第一歩としてまずは、
ご自分の花粉症の重症度をチェックしましょう。

症状の原因の特定方法

あらわれている症状が花粉症によるものかどうかを正確に判定するうえでは、免疫細胞の一種である「好酸球」と、アレルギー反応にかかわる「IgE抗体」の検査が大切です。鼻水の中の好酸球を測定する「鼻汁好酸球検査」、血液中の好酸球を測定する「血中好酸球検査」、血液中のIgE抗体の量を測定する「血清総IgE検査」があります。これらの値をもとにして、アレルギーによる症状かどうかを医師が判定します。

また、アレルギーの原因となっている花粉の種類を調べるためには、「血清特異的IgE検査」や「皮膚テスト」を行います。スギやブタクサなどの複数の花粉や、ハウスダスト、ダニ、食物アレルギーの原因となる食品などへのアレルギー反応を同時に調べることができる検査です。「血清特異的IgE検査」は、それぞれのアレルゲンに対するIgE抗体の量を調べることで、症状を引き起こしているアレルゲンをある程度特定できる血液検査です。「皮膚テスト」は、まず、アレルギー原因物質を含んだアレルゲンエキスを患者さんの皮膚にたらしたり、皮膚内に注射で少量注入したりします。もし、そのアレルゲンに対する抗体をもっている場合は赤くはれるなどの症状があらわれるので、原因となるアレルゲンの可能性があると判断できます。

このほか、原因と疑われるアレルゲンを鼻の粘膜にくっつけて反応を見る、「鼻粘膜誘発テスト」という検査を行うこともあります。ご自分の症状が気になれば、医師に相談をして症状を特定しましょう。

  1. 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン ー 通年性鼻炎と花粉症 ― 2020年版(改訂第9版) 第4章 検査・診断, p.29-30, (株)ライフ・サイエンス, 2020

  2. 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン ー 通年性鼻炎と花粉症 ― 2020年版(改訂第9版) 第5章 治療, p.70-72, (株)ライフ・サイエンス, 2015

  3. 奥田稔ほか:アレルギー 53(6):596-600, 2004